建築パースの目的とは?ソフトと手書きの違いなど実務的に解説

内観パースイメージ
パースとはperspectiveの略で平面(紙・画面)に立体的な表現をする技法です。そして建築パースとは一般的に建物やインテリアの完成予想図を指します。

パース技法の種類は一点透視・二点透視・三点透視

パースの中でもよく用いられる技法は3つ。一点透視・二点透視・三点透視パースです。

一点透視パース

一点透視パース
一点透視パースは消失点という奥行を表現する線の交点が1つだけの技法。

最もシンプルな技法でありながら、これだけで建築パースとして完結します。展開図や矩計図などを二次利用出来るので建築設計分野との相性バツグンです。

二点透視パース

二点透視パース
二点透視パースは消失点が左右に2つ存在する技法です。縦の線以外はどちらかの消失点に向かって奥行を表現します。

より立体的な表現が可能なため、建物の外観パースは二点透視が一般的です。

三点透視パース

三点透視パース
三点透視パースは二点透視パースに更に上下方向に消失点がある技法。

整形な物体であれば手書きも可能ですが、建築物など複雑な形状を手書きするのは非効率的です。また、見慣れていないせいか、完成予想図としては違和感を感じます。

建築分野で利用されるパースの種類

建築分野で主に利用されるパースは外観パースと内観パースの2つです。

外観パース

外観パース
外部の任意点から建物を見た時のパース。

建物の形状など立面図では伝わらない情報を伝えることができます。住宅の場合は屋根形状を表現することもあり、2点透視パースが一般的です。

内観パース

内観パース
建物内部の任意点から見た時のパース。平面図や展開図では表現できない空間の繋がりを伝えることができます。

建築分野において内観パースは設計者の意図を伝える重要なツールです。

建築パース作成ソフトの特徴

建築パースはソフトで作成することも多く、求めるクオリティーによって利用するソフトも様々です。いくつかの有名ソフトを紹介します。

3DCGソフト

3DCGソフトはフォトリアルな建築パース作成に向いています。一方で習得には一定の時間が必要です。

3ds Max Autodesk社の3DCGソフト。
Rhinoceros こちらも有名な3DCGソフト。
Blender 老舗の3DCGソフト。フリーソフトです。

CADソフト

CADソフトは容易に立体化できることが最大のメリット。

大手ハウスメーカーで使用されるため、今後のパース機能向上が期待できます。多彩な機能とセットのため、パース機能だけを求めて購入するには高価です。

ARCHITREND 木造建築物に特化したCADソフト。パース作成機能があります。
Walk in home こちらもCADソフト。パース作成機能があります。

その他のソフト

その他ソフトはそれぞれ多彩な機能がありますが、モデリングに優れており、3DCGソフトに読み込むことができます。

SketchUp 細かい作り込みが可能なので2次元汎用CADユーザーにオススメです。
3D マイホームデザイナー PRO 立体化までのステップがシンプルでデータも豊富です。

手書き建築パースの現実と練習のコツ

手書きパース
手書き建築パースは表現方法が多彩で、目的によって完成度を変えられる点がメリットです。

手書きパースの問題点は物理的は制作スペースに限りがあることです。
学習初期は立面図・平面図を並べながらパースを書くことになるので、スキャナーやプリンターを使用して拡大縮小します。

手書きパースの練習は【奥行距離を自分で設定するコト】とも言えます。奥行きを自分で設定できるようになると、立面図や平面図を見ながらパースを書けるようになります。

実務的には汎用CADを利用して線画を書き、着色はアナログという方法もあります。反対に線画は手書きで着色は画像ソフトを利用する方法もあるため【手書きパースの定義】は曖昧です。

まとめ

建築パースの作成手段は様々なので、誰に対しどんな目的で建築パースを見せるのか決めるコトが重要です。

建築計画初期に説明的パースが必要ならラフな手書きパースで良いし、美しい外観をリアルに見せたいならフォトリアルなCGパースが必要になります。

また、内製化・外注どちらにしても表現方法は多様であるため、建築パースの使用目的を明確にするコトが何より大切です。

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