竜巻被害に備えて浴室やトイレを避難部屋として計画する
2013年、関東では千葉県・埼玉県・栃木県で竜巻が発生しました。昨年2012年にも栃木県で大規模な被害が出ているので、すでに『予想外の災害』とは言えなくなりました。
建築基準法は建物に横から作用する風圧に対する規定はありますが、竜巻に対する規定はありません。いずれ法律が改正されると思いますが、それまでは住まいの作り方や設備で竜巻対策をするしかありません。
そこで、建築ができる竜巻対策について考えてみました。もちろんですが、地域で避難方法や避難対策が決まっている場合はそちらを優先してくださいね。
基本的な対策はしっかり守ること
木造建築で考えられる竜巻対策として、垂木金物の施工や開口部の保護が考えられます。
垂木金物とは屋根の下地となる垂木(たるき)と軒桁(のきげた)を留める金物です。「ひねり金物」や「くら金物」が有名です。
開口部の保護とは、簡単に言うと雨戸や防犯ガラスなどを採用するコトです。竜巻で飛ばされてくるモノでガラスが割れないようにします。
窓を設けなくてもいい部屋を計画して避難部屋とする
更なる対策として窓がない部屋を計画して、もしもの時の避難部屋とすることができます。法律上、寝室や居間には窓が必要ですが、倉庫・浴室・トイレなどに窓はいりません。
外壁に面しない場所に計画できる上に洗面も計画しやすいので、浴室・トイレは避難場所としては最適です。
倉庫に避難スペースを確保しておくのは難しいと思うので、浴室やトイレを少し広めに計画する方がラクでしょう。
浴室は避難部屋として利用できる
建物の構造を考えると浴室は他の部屋より安全だと言えます。木造の場合、ユニットバスも造作浴室も柱・梁などの架構の中に、もう一つ小さな部屋を作る構造なので、外からの衝撃に対して強いです。
上の図では窓がありますが、窓なしで建物の隅でなければ理想的です。浴室の隣に洗面所などを計画して、小窓を計画すれば明かりとりになりますよ。
トイレを利用する場合
トイレを避難部屋として利用する場合は、洗面を一緒に計画しておくと非常のときに安心。
窓のないトイレを作る時は、廊下に面した壁に小窓を設けると明り取りになります。地震にも気を付ける必要があるので、上部に小窓を設ける時はアクリル板がオススメですよ。
最後に
住宅保険の見直しや古くなった屋根の修理なども立派な竜巻対策なので、この機会にチェックされてみてはいかがでしょう?