外皮性能計算による外皮平均熱貫流率UA値・平均日射取得率ηA値とは
外皮性能計算とは建物の断熱性・遮熱性を検討する際に使用する計算です。低炭素住宅認定や長期優良住宅認定に利用します。平成27年からは性能表示制度の温熱分野に利用される予定です。今後、更に注目される分野ですのでザザッと説明です。
外皮性能計算では断熱性を表すUA値と遮熱性を表すη(イータ)A値の二つを検討します。
外皮平均熱貫流率UA値とは
UA値は外皮面積に対する熱損失量で表します。数値が小さいほど断熱性が優れている建物という評価です。外皮面積とは外気に面する屋根・外壁・窓・床等のことで、熱損失量は外皮の構成(断熱材等)やサッシの種類によって変わります。外皮面積が大きく、熱損失量が小さい程、数値が小さくなります。
UA値を上げるコツ
熱損失量は外部に対しての(単位温度差あたりの)数値なので、完全な外気ではない床の断熱を強化したり、基礎断熱を採用すると数値は自然と向上します。また、壁や屋根の構成で変わる「熱貫流率」(熱の伝わりやすさ)はηA値にも関係するので、数値が良いと後がラクです。
冷房期の平均日射取得率η(イータ)A値とは
ηA値は建物の遮熱性(日射熱の侵入程度)を表す数値です。床以外の外皮面積に対する日射熱取得量で検討します。日射取得量は熱貫流率・方位・ガラスの性能などで変化する値で、庇や外付けブラインドや紙障子を計画し、窓の性能を上げることが大事です。
外皮性能計算は工夫の余地がたくさんある
外皮性能計算は断熱材やガラスの種類・基礎や庇など、工夫の余地が十分にある分野です。お住まいの地域の最低限の数値を満たした上で予算に合わせた性能を目標にしてもいいと思います。