化粧筋かいの入れ方と金物について建築基準法とグレー本から解説

筋かい
筋かいとは、柱と柱の間に設置する斜めの材料です。
筋かいを設置した軸組みは建物の構面(水平構面・屋根構面)に入力した水平力(地震力・風圧力)を受ける役割があり、一定数の軸組みを設置して建物の剛性を高めます。

建築基準法における要注意な【筋かいの規定】は2つ

株式会社タナカ ヘキサプレートSD
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筋かいの形状や倍率以外に気を付ける点は2つあります。

1.【構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質は、節、腐れ、繊維の傾斜、丸身等による構造上の欠点がないもの】
建築基準法の条文です。木造の筋かい材は、そもそも化粧材レベルの品質が必要ということです。
参照:(木材)第四十一条

2.【筋かいは、その両端の端部を、柱又ははりその他の横架材に、ボルト、かすがい、くぎその他の金物で緊結しなければならない。】
建築基準法では筋かいは横架材(土台・梁)に緊結するコトを必須としません。柱に設置する筋かい金物の根拠となる条文です。
参照: (筋かい)第四十五号

化粧筋かいを設置する理由

化粧筋かいを設置する理由は意匠性または採光の確保がメインです。

意匠性はともかく、採光確保のための化粧筋かいは最後の選択肢なので、設置条件は正確に理解しておきたいところです。

化粧筋かいは条件次第で設置可能。グレー本(2017)による

化粧筋かいの設置方法
化粧筋かいの設置条件は建築基準法に記載はなく、グレー本を参考にします。

”筋かいを幅1m以上の壁で用いる場合に~~座屈を抑制する必要があり、50cm以下の間隔で間柱を入れ、せっこうボード等の面材が張られているか、座屈抑制効果のあるBP2等の金物を用いる等の対策が必要である”

グレー本の上記内容を読み替えると、1m未満の軸組みに化粧筋かいは設置できることになります。

ただし、最終的な責任は設計者にあるので化粧筋かいを設置する時はBP2のような3点留め(横架材・柱・筋かい材)の金物で鉛直面外への座屈抑制に努めることをおすすめします。

雑壁減少に注意

2025年建築基準法にも盛り込まれた通り、雑壁が水平力を負担していることは確実です。

化粧筋かいの軸組みは、両面ボードの軸組みに比べて耐力が落ちます。余力の減少について設計者には総合的判断が求められます。

まとめ。化粧筋かいは設置できるが、最終的に設計者判断です。

筋かいに関する規定は建築基準法においても、グレー本においても、かなり詳細に規定されています。

最終的には全て設計者判断ですが、化粧筋かい設置の理由が意匠性だけでは根拠が弱いと感じます。

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