大切なのは日々の点検|木造住宅の防腐防蟻措置について
建築基準法が定める防腐防蟻措置とは
“柱、筋かい及び土台のうち、地面から1m以内の部分には、有効な防腐措置を講ずるとともに、必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講じなければならない。”
要するに地面から1m以内の柱・筋かい・土台には防腐防蟻処理をしなさいとのコトです。ここで注意すべきは“措置を講じる”という書き方。
建築基準法では具体的方法を指定してないのです。
防腐防蟻措置の具体的方法は各仕様や他の法律で定められた方法を使用して『防腐防蟻措置』とします。
例えば、住宅金融支援機構監修の仕様書では土台にヒノキやヒバを使うことで防腐防蟻措置としています。また、性能表示制度では外壁に水きりを設け、ヒノキやヒバを使用することで防腐防蟻措置とすることもできます。
防腐防蟻剤の種類や建築的手法
実際の現場では木材の種類だけではなく、処理済み木材の使用や防腐防蟻剤の塗布が一般的です。自然素材系ではホウ酸・炭・柿渋・ヒノキチオールなどを含有するモノが主流でしょうか。
S-houseでは防腐剤とし柿渋を塗布しました。
建築的手法として、基礎の高さを1m以上とする方法もあります。
効果の優劣より点検が大事
防腐防蟻剤は防腐と防蟻両方の効果・人体への影響・施工性・価格など、考慮すべき問題が多岐にわたるため、優劣をつけるのは困難です。全体のバランスを考え、いずれかの防腐防蟻剤を選びますが、建築関係者でも判断が分かれるでしょう。
また、根本的な問題としてシロアリの中には飛来してきて建物上部から侵入する種がいるので、完璧な措置を施すのは不可能です。
建築主の皆さんには防腐防蟻剤の優劣を過度に検証するより、建築後の床下点検や侵入の痕跡を発見することに注意していただきたい。