筋かいの幅と高さ。幅に対して高すぎる筋交いは耐力壁としてカウントできない。
木造軸組み工法の住宅では筋交いを「つっかい棒」として使い、耐力壁を構成します(他の方法もあります)。建築基準法には筋交いに使う木材の厚さや種類の規定はありますが、実は幅と高さの比率は規定されていません。
筋かいは基本的に「つっかい棒」と同じ原理なので、幅に対して高すぎると耐力壁としての効果が薄くなってしまうのです。
1:3か1:3.5
結論から言ってしまうと、筋交いの幅と高さの比率は1:3か1:3.5です。建築基準法は風圧の影響を検討する際に135cmという数値が出てきます。これは階高「270cm(約9尺)の半分」という意味が込められていて、木造の基本寸法である91cm(約3尺)の3倍になります。1:3ですね。
一方、構造計算の分野では1:3.5を限度としています。こちらは現代の住宅事情も考慮した数値だと思われます。近年の住まいは天井高2m40cmを標準とすることが多く、階高2m70cmでは明らかに高さが足りません。また、柱用の木材は3mまたは4mという基準寸法があり、3m材を余りなく使うには1:3.5という比率が丁度いいのです。こちらの幅は90cm以上です。
1:3.5の比率だとすると、幅は91cm・高さは3m18cm5mmが限度です。幅が広がれば、より安全側の設計になります。幅45cm(約1尺5寸)や60cm(約2尺)では耐力壁としてカウントすることはできません。上の諸々の理由からウチの事務所でも筋交いの比率は1:3.5を限度にしています。
何やらこむずかしい内容でしたが筋交いの比率についてでした。